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生活・文化 > 医療・健康 > 華南地区の感染症と予防接種No.3
華南地区の感染症と予防接種No.3
投稿者: Webmaster 掲載日: 2006-9-1 (1478 回閲覧)
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中国医療シリーズの第3回目は、シンセンにおける感染症とそれに対する予防接種についてまとめてみました。シンセンに暮らして長い方は、既存の感染症に関してはすでにご存知だと思いますが、新たな感染症なども発生しております。よりよく病気を知ることは、病気を防ぐということにも通じますから、まだよくわからないとおっしゃる方も含めて、改めてここで確認してみてもよいかもしれません。

亜熱帯性気候に属するシンセンにおいて特筆すべき感染症は、A・B型肝炎、E型肝炎、C型肝炎、日本脳炎、SARS、インフルエンザ、破傷風、狂犬病などです。これらは予防接種などで感染をある程度防げるものや、そうでないものに分けられます。予防接種が可能なのはA・B型肝炎、日本脳炎、インフルエンザ、破傷風、狂犬病です。いずれも日本での予防接種が可能で、また現地に赴いてからでもクリニックへ相談すれば安価に接種を受けられます。

駐在員として、また家族帯同で赴任している方々は、会社側より医療機関における予防接種や健康診断などといった説明は受けているのではと思われますが、では実際その病気がどういったところから感染し、どんな症状を引き起こすのかといった細かな情報については、ご自分で調べられる方が多いのではと思われます。いざというときのために、大まかでも病気の概略は知っておきましょう。

1) A型肝炎
食べ物から感染します。主には水、氷、生の魚介、生野菜など火を通してない食物を摂取することでA型肝炎ウイルス(HAV)に感染します。感染してからの潜伏期間は約4週間と言われ、発症すると倦怠感、嘔吐、黄疸、発熱、頭痛、筋肉痛、などの症状と共に、濃色尿や肝臓の肥大など検査により顕著な反応を示すものがあります。死亡率は低いのですが、重症や劇症化すると1ヶ月以上の入院も余儀なくされますので、安易に考えず体調の不調を感じたら早めに医師の診断を受けましょう。

日本でのワクチン接種は3回を一つのサイクルとし、第1回目の接種の後は1ヶ月後に第2回目の接種を行います。その後は6ヶ月後に第3回目の接種を受けると、効果は約5年続きます。その後更に6ヶ月後の接種で約10年間といわれています。近年都市部では衛生面では改善が見られるため、徐々にこの病気の発症率は減ってきていますが、まだまだ油断できない感染症といえます。効果の持続期間については個人差がありますが、6ヶ月以上の滞在を予定しているのであれば必要な予防接種でしょう。

2) B型肝炎
感染源であるB型肝炎ウイルス(HBV)は輸血、不適切な医療行為による経皮感染、出産などで輸血をしたり、手術をされた場合、あるいは性行為などによる唾液や体液の濃厚接触により感染します。潜伏期間は1〜6ヶ月と言われ、症状は持続性の微熱、発熱、全身倦怠感、悪心・嘔吐、右季肋部痛、上腹部膨満感などがあり、比較的緩やかに始まる傾向があるため、発病に気づかないことがあります。

しかしながら劇症へ移行する症例もあるため、病気の進行に関しては注意が必要です。この場合は急性肝炎の重篤症状が認められるため、すぐに入院が必要です。ですが、おおよそ3ヶ月くらいで肝機能は正常に戻りますし、その後完全に治癒して慢性化にはなりません。しかしながら、予後の措置は続けておくべきです。あまり肝臓の状態を感知せず、放置していると、肝硬変、肝臓がんなどへ移行することがわかっています。羅患者のおよそ10%〜15%にがんの発生が認められるため、放置しておくことは最悪の状態を招くことを理解しておいて下さい。

また不顕性感染といい、症状が出ずに保菌者になっている場合もありますので、留意が必要です。この場合、感染しても自然治癒した可能性が高く、そのまま保菌者になっているということにもなりますので、他者への感染の危険など、自分自身のためにも検査をすることをお薦めします。日本では政府管掌健康保険等による生活習慣病予防検診の中で肝炎ウイルス検査が受けられます。対象年齢は35歳、40歳、以降5歳間隔の節目の年齢に当たる人、過去に大きな手術を受けたことのある方、及び生活習慣病予防検診において※ALT(GPT)値、が一定値を超えた方が対象です。

なお、HBVは、くしゃみ、せき、抱擁、食べ物、飲み物、食器やコップの共用、日常の接触では感染しません。また、HBV保菌者だからといって、職場や学校などで差別を受けなければならない理由は全くありません。

渡航前接種として日本でのワクチン接種は希望があれば地方の所定医療機関にて接種することが可能です。また大都市であればトラベルクリニックなどへ相談されてもよいでしょう。トラベルクリニックは海外では一般的ですが日本ではあまり知名度がありません。主に渡航者のための医療について相談をうけていただけます。予防接種や健康診断などはこうした医療機関での情報のほうが早い場合もあります。

予防としては歯ブラシやカミソリは血液がついている可能性のあるものを他人と共有しないこと、或いは、入れ墨やピアスをするときは必ず消毒された器具によることを確認するなど、よくしらない相手との性交渉をしないなど、日常の生活において注意が必要です。

  • 海外渡航者のための感染症情報 FORTH 予防接種機関検索


  • ※ALT(GPT)値
    アラニン・アミノトランスフェラーゼといって、肝臓の中でトランスアミナーゼというアミノ酸の合成に必要な酵素です。この数値が高い場合、肝臓病(急性・慢性肝炎、脂肪肝、アルコール性肝炎)などを疑われます。

    3) E型肝炎
    唯一、人畜共通感染ウイルスではないかといわれている肝炎ウイルスですので、その感染源については十分注意すべきでしょう。A型肝炎と同じく、食べ物による感染が確認されています。潜伏期間は平均6ヶ月と言われており、一般的には発症率は低く、症状は悪心・嘔吐、発熱、全身倦怠感などA型肝炎に似ており、しかしながら一過性の肝炎で、完治すれば慢性化に移行することはないと言われています。但し、妊婦の感染者においてはその死亡率は20%にも高く、劇症化する率が高くなっています。これに対するワクチンはいまだ開発されておらず、中国、東南アジア、南アジアでの感染率の高い病気です。症状が似ているのでA型肝炎のワクチンの接種を希望する人もいますが、ウイルスの種類そのものが違うため、A型肝炎ワクチンの効果はありません。食事をする際は十分注意し、生水、生肉、非加熱の貝類、生野菜及び自分自身で皮をむかない非加熱の果物などの摂取の際は特別に注意する必要があるでしょう。

    日本国内においては野生動物肉(猪、鹿、豚レバーなどの生食)による感染が確認されています。野生動物は人畜共通感染の原因となる病原微生物や寄生虫などを保有している可能性があります。むやみに食することを避けるべきでしょう。またE型肝炎のウイルスは保有動物の肝臓や肉中よりむしろ血液中に存在する濃度が高いため、生肉処理中に誤って混入するなどといったことも考えられますので、こちらも念頭におく必要があります。

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