先週の土曜日から中国人と外国人科学者の共同作業によるニュートリノ振動※1という新しい分野の発見のため、深センでプラットフォームとなる実験施設の建設が始まったと深セン日報が伝えている。
今回のプロジェクトは中国の高エネルギー研究者が電子衝突加速装置を北京に建設した1988年10月以来、諸外国と共に行った共同計画の中で2番目に大きな計画である。
中国とアメリカ合衆国からの科学者は衝突加速装置を通じて協力し合い、多くの科学的探究をもたらしてきたと同紙では伝えている。
土曜日の起工式式典には米国エネルギー省の準長官Robin Staffin博士ら政府官僚や外国人外交官を含む100人以上の人々が出席した。
ニュートリノ振動は、ニュートリノと呼ばれる素粒子が引き起こす非常に興味深い反応を示す。
新しい施設は4つの原子炉が熱を融合し1,160万kwの電力を放出している大亜湾原子力発電所の近くの山に建設され、嶺澳原子力発電所からも近い。双方の原子力発電所は施設の完成時には反ニュートリノを発生させる実験に利用される予定だ。
不要な宇宙線からの影響を避けるため地下に実験室を設置するため、山の中の長いトンネルによって繋がる3つの実験ホールを建設する予定である。
各実験ホールには8個の反ニュートリノ探知器を配備した10mの深いプールが完備される。水は観測を妨げる放射線から探知器を守り、残った宇宙線を特定する役目を果たす。
最初の実験ホールは2008年末までには準備が完了する予定。また、このホールの検知器の製作依頼は2009年ごろと伝えている。
この土木工学的な基礎工事は最後の探知器の設置が2010年に予定されているのでおよそ2年間は続くと予想される。
中国科学院の主持である陳和生氏によると、新しい施設が完成すれば、中国、香港、台湾、アメリカ合衆国、ロシアを含む世界6カ国の国や地域から190人以上の科学者が研究のために来訪すると予想される。
施設には、2億5,000万元の予算があり、中国が4つの探知器の製作およびインフラ整備を担当し、アメリカ合衆国は残りの探知器の製作を担当する。
実験の主導科学者であるWang Yifang博士は、「計画は世界のニュートリノ研究の新しい分野を広げ、科学技術で中国の総合的発展を改善し、素粒子物理学における中国の研究において新しいブレークスルーを見い出す重要な貢献を約束すると確信しています。」と話した。
※1 ニュートリノ振動
ニュートリノ振動(ニュートリノしんどう)は、ニュートリノが質量をもつことでニュートリノの種類(フレーバー)が変わる現象。スーパーカミオカンデ※2が1998年に大気から降り注ぐニュートリノを観測することによって、この現象が実証された。現在日本では人工的にニュートリノを発生させスーパーカミオカンデで振動現象を観測する実験が行われている。(出典:ウィキペディア)
※2 スーパーカミオカンデ 公式ホームページ
東京大学宇宙線研究所の神岡宇宙素粒子研究施設(岐阜県神岡町)にある巨大観測装置。
宇宙から飛来するニュートリノ素子をここの実験ホールが捉えている。ノーベル物理学賞を受賞する科学者、小柴昌俊東京大学名誉教授により考案された。
(シンセンスクエア)


