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中国ネット事情:違法DVDはもう古い
投稿者: Webmaster 掲載日: 2006-12-31 (2270 回閲覧)
最近中国で大人気の米国TVシリーズ「Prison Break」。アメリカでは視聴者が選んだTV番組トップ20から既に脱落しているにもかかわらず、中国では今空前の大ブームが巻き起こっています。

様々な陰謀が錯綜し視聴者を釘付けにする内容がこれほどまでに中国で人々を惹きつけているのはもちろんですが、これ以外にも大人気の秘密があるのをご存知でしょうか?

実はこの番組、中国のテレビでは放送されていません。にもかかわらず、これだけ急速にかつ広く中国の視聴者らに知られることになったのには決定的な理由があります。マスメディアにも多大な影響を与える次世代ウェブコミュニケーションツール。これの存在なしに中国での「Prison Break」を語ることはできません。

中国の視聴者らが「Prison Break」を観るためにはいくつかの選択肢があります。香港のケーブルTV,BT(BitTorrent)ダウンロード、大学のLAN、有料のオンラインサービス、そしてもちろん違法コピーのDVDなどなど。

去年リリースされた多くの米国TVシリーズ第一季は、中国の視聴者らはその殆んどをDVDで観ていました。もちろん正確さに欠ける字幕(翻訳)を我慢しながらと言う条件付きですが、第二季となった今年はインターネットがその事情を大きく変えてしまいました。

毎回リリースされるエピソードはウェブ上で多大な容量を必要としますが、近年の著しい技術の進歩により画質のよさやダウンロードスピードの向上が後押しし、中国で「Prison Break」を急速に有名にさせていったのです。

これだけで驚いてはいけません。なんと、アメリカで新しいエピソードが放送されてからおよそ12時間後には中国でも中国語の字幕付きで観れるようになっているのです。

なぜこんなことができるのか?これにはこういった活動を支援する市民団体いや、ネティズン(Netizen = Net Citizenの造語)の存在があります。

ネティズンとは90年代初頭インターネットがアメリカで普及し始めた頃に米国コロンビア大学のマイケル・ハウベン(Michael Hauben)という学部学生(当時)が名づけた造語です。

マイケルはネティズンについて、「それぞれの地域社会の人々らがコミュニティ・ネットワークを通じてグローバルなコンピューターのコミュニケーション・ネットワークにつながり、その結果、人々は、同じコミュニティの中の他の市民だけでなく、世界中の人びととコミュニケートする」と語っています。

一般的にこういった人々をネティズンとして位置づけていますが、中には世の中をひっくり返すような活動を行うネティズンも存在します。中国で「Prizen Break」が大ブレークした理由にインターネット高速転送技術と迅速な翻訳作業を挙げましたが、こういった問題を彼らがクリアしているのです。

「字幕チーム」と呼ばれるグループは米国TV番組シリーズの熱狂的なマニアによって構成されており、新しいエピソードがアメリカで放送された30分後にはFTP(ファイル転送プロトコール)接続で英語の字幕付きのファイルを手に入れることができます。その後、翻訳家、公正係、字幕監督らによって再編集され、アメリカでの放送開始からおよそ12時間後には中国語字幕つきの最新エピソードがネット上で公開されます。ファイルもRMVB、AVI、H264など様々な形式が用意されていますが、字幕チームがそれぞれ異なるため翻訳内容もファイル形式によって異なるようです。

こういった活動はもちろん極秘で行われていますが、これらは全て熱狂的なファンらのボランティア精神によって支えられているのですから驚きです。

2002年初頭インターネットのスピードが決して速いとは言えなかった頃、中国の大学生らは大学のLANを介して「Friends」を観ていました。ブロードバンド技術が進化した今のネティズンらは「Desperate Housewives」や「Lost」、「Nip/Tcuk」などホットな海外TVシリーズを家庭のパソコンで手軽に観れるようになりました。

しかしながら、著作権が保護されているコンテンツをインターネットからダウンロードする行為が違法であるという議論も大してされないまま、中国のホームエンターテイメントは新しいインターネット時代に突入してしまったことには大きな懸念を抱かざるおえません。

人々は次のエピソードが放送されるのをテレビの前で待つ必要もなくなってしまいました。例え500チャンネル見れるTV閲覧サービスを購入していたとしても、いつでも好きなときに好きなエピソードを観ることができないのはやはりインターネットから受ける恩恵と比較すると見劣りしてしまうでしょう。

ではテレビの将来は一体どうなるのでしょうか?もしかしたらインターネットとめでたく結婚!?なんてことになるかもしれません。新しいメディア時代の重要な出来事は全てネティズンらによるイニシアチブによって生まれています。米国雑誌Timeで「今年のこの人!(Person of the Year!)」に「あなた(You)」が選ばれたのもこれで理解できたのではないでしょうか?


(シンセンスクエア)
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